【保存版】スウェーデン住宅情報完全まとめ④First hand編

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【保存版】スウェーデン住宅情報完全まとめ④First hand編

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はじめに

スウェーデン住宅情報完全まとめ第3弾購入編では、スウェーデンの住宅購入について紹介しました。第4弾では、スウェーデンの賃貸でも購入でもないFirst hand関して情報をまとめてみました。

賃貸とも購入とも違う「住む権利=First hand」とは?

日本であれば住居は賃貸もしくは購入することでそこで生活をしますが、ここスウェーデンではもう一つ住居を確保する方法があります。それは「First hand」です。

First Handとは住居を所有するbostadsförmedlingar(住宅代理店)から住居を借り受けて住む仕組みです。「それって賃貸と一緒じゃん」と思われるかもしれませんが、First handは賃貸と異なり毎月賃料は支払いますが、住む権利は住人が保有します。

つまり、通常の賃貸のようにオーナーに退去勧告を受けたりすることはなく、First handの住人が住む権利を持っている限り、そして住んでいる限り、まるで購入した住居のように住み続けることができます。

この仕組みは1900年頃に作られ、第一次大戦中に住宅不足の混乱を回避するために人口5000人以上のすべての町にFirst Handの仕組みを持つようにと法律で決められました。

住居を賃貸もしくは買えない国民に平等に安定して住まわせるための仕組みでしたが、現在のスウェーデンは人口増加に伴い色々な問題が発生しています。この問題については後で説明します。

First handって何がいいのか?

賃貸と異なりまるで購入した住居のように住める「住む権利」は上で説明した通りです。ただFirst handの最大のメリットは「住む権利」だけではありません。

Frist handであっても住宅代理店に毎月の賃料を支払いますが、実はこの賃料が非常に安いのです。立地にもよりますが、ストックホルムの都心部の住居であっても、個人オーナーから賃貸するのとは比べ物にならないくらい安いです。

そして、First handには転貸の権利もあるため、又貸し=Second handをして家賃収入を得ることもできます。

なお、First handは住宅代理店が所有する住宅ですが、稀に住人に売却をすることがあります。その場合にはすでに住んでいる住人に対して価格が提示されますが、この価格がまたかなり安いのが最大のメリットです。

ここまで書くと、「じゃ、スウェーデンに行ったらFirst handで家借りればいいじゃん」となりますが、もちろんそんなに簡単ではありません。次項でFirst handの仕組みを説明します。

First handの仕組み=行列

First handはスウェーデンが国民に平等かつ安定した住宅共有をするために作った仕組みです。そのため、住宅の供給は国民全員に平等でなければいけません。そのために作られたのがQueue=行列です。

First handの仕組みを住居を得られるまでの過程も含めて簡単にまとめてみました。

  1. まずは住宅代理店に申し込みます。これにより行列に並び始めたと考えてください。
  2. 行列に参加すると、毎年ポイントがもらえます。まずはこのポイントを貯めていきます。
  3. 住みたい住居に空きが出たら、申し込みを行います。
  4. 申込者の中から最もポイントが高い人に住居が割り当てられます。

これで少しわかってきたのではないでしょうか?つまり、行列に長期間並んでポイントを沢山貯めた人ほど、住みたい住居に住める可能性が高くなっていく仕組みなんです。

先に述べたように、First handの住居の中には非常に立地のよい場所もあり、都市部のFirst handは特に競争率が激しいのはわかるかと思います。そして、その競争を勝ち抜くにはお金でも苦労でもなく、いかに長くポイントを貯めたかなんです。

ちなみに、First handの行列に並ぶためには年間費を求められる場合があります。特に都心部の住宅代理店はほぼ間違いなく有料です。地方のFirst handには無料で行列に参加することも可能です。

Frist handになるにはどれぐらい待つの?

次に絶対に知りたくなるのは「First handになるのに実際どれぐらい待つのか?」でしょう。

残念ながらこれは、住宅代理店に登録されている行列を作っている人々の数と住居の人気度によるので短期間で住居を得られた人もいれば、特定の場所をずっと辛抱強く待っている人もいるのでしょう。

ストックホルムの場合には少なくとも10年は待たないといけないと言われており、2020年の平均待ち期間は13年だったそうです

つまり、スウェーデンにこれから移住してくる方々、すでに移住された方であっても簡単にはFirst handにはなれないのが現実と思ってほぼ間違いありません。

ただし、一部の住宅代理店では特定の時期に申し込みの先着順でFirst handを選定することもあるので、どうしてもFirst handが良い方はできるだけたくさんの住宅代理店を調べることをお勧めします。

スウェーデンのFirst handの落とし穴

その1:又貸し(Second hand)で副収入は得られない

First handは平等かつ公平な住居の供給が目的ですので、なにかしらかの理由で又貸しをする際には、Second handへの賃料はリーズナブルでなければいけないと定められています。

一般的にはFirst handが毎月支払っている賃料に追加で10%から15%ほどしか上乗せして課すことができないため、基本的にSecond handもかなりお安い賃料で済むことが可能です。

ちなみに、パッパは幸運にもスウェーデンに来て3カ月でこのSecond handとして契約することができて、およそ2年間そこに住むことができました。

その際の住宅はおよそ100㎡の6rum(寝室が3つ、キッチン、ダイニング、リビング)で月の賃料は11,000krでした。ストックホルム中央駅まで電車で20分と都市部にも近くかなり快適な環境でした。

その2:住んでいないと「住む権利」をはく奪される

「住む権利」は住んでこそ有効なものです。つまり、事実上住んでいない場合には、最悪の場合「住む権利」をはく奪されてしまう可能性があります。

前述で述べた通り、何らかの理由、例えば海外赴任でFirst handの住居に住まない場合には、Second handとして又貸しをして賃料を補填してもらうことが可能です。が、基本的にこのSecond handは一定期間しか住宅代理店から許可されません。

具体的にSecond handとして又貸しできるのは1年から2年が最長でしょう。これはFirst handになりたい人が他にもいるためFirst hand自身が長期間住まない場合には、平等性を考慮して退去しなければいけないからです。

同じようにSecond handとして又貸ししていなくても、事実上First handの住居を長く不在していた場合には、同様に退去を勧告されます。

結局のところ、First hand自体は住んでいる限りはスウェーデンで最もお得で安心できる住居ですが、なにかしらかの理由で長期間住めない事情が発生した場合には、出ていかなければいけない住居だと理解しておいてください。

その3:希望したFirst handになった時には時すでに遅し

First handがとても魅力的な住居を供給するシステムであることはもうお分かりだと思いますが、やっぱり住みたい場所に住めるまでに非常に時間がかかることが問題です。

そのため、最近のストックホルムでの問題として、長年待ち続けた家族がやっと念願の場所にFrist handとして入居するものの、すでに子供たちは自立していて、その夫婦には到底必要のない広さの住居に住むことがあるそうです。

本来であればこれから子供を育てる家族が住むべきような住居にたくさんのポイントを持った年配者が広く立地の良い住居を独占してしまうことが多々あるために、このFirst handが本当に平等なのか疑問視する声が上がっています。

その4:First handは売れない

First handは「住む権利」であることはもう理解頂けたかと思いますが、実はこの権利はお金で売買することはできません。

ただし、稀にですがFirst handオーナー同士での交換が行われる場合があります。お互いに住んでいるFirst handの住宅を交換して、住む権利を交換できるようです。が、パッパ自身もFirst handになったことがないので、詳しい情報はぜひご自分で調べてみてください。

まとめ

スウェーデンのFirst hand編はいかがでしたか?日本にはない住宅供給の仕組みはスウェーデンに住んでいる人には平等ですが、やはり途中から来た人にはなかなか手が届かない住宅かもしれません。

これで、スウェーデンの賃貸、購入そしてFirst handの3つの住宅を手に入れる手段についてお伝えしてきました。次回は第5弾スウェーデンで住宅を購入した人が経験するであろう住宅の売却編(執筆中です!)です。

スウェーデンで住宅を売却する手順は?不動産業者の選び方?高く売れた場合の成果型報酬ってなに?住宅の売却をした経験者パッパからのアドバイス、そして避けなければいけない落とし穴についてお伝えします。

 

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