スウェーデンは本当に残業ないの?グローバルな統計値と日本とスウェーデンの実労働時間比較編

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スウェーデンは本当に残業ないの?グローバルな統計値と日本とスウェーデンの実労働時間比較編

はじめに

こんにちは、パッパです。ヨーロッパはワーク・ライフ・バランスがしっかりしているため、残業など一切なく、家族やペットや趣味の時間を大切にできる…とお聞きになったことありませんか?確かにスウェーデンは、健康的なワーク・ライフ・バランスを目指す取り組みで知られており、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で労働時間の短い国の1つになっています。
今回は、経済協力開発機構(OECD)の世界的な統計値からスウェーデンとの日本にどんな差があるのか?そして、パッパの日本とスウェーデンでの実際の労働時間を比較して、残業の量や内容について何が違うのか?をお伝えしたいと思います。
ちなみに、パッパの働く会社はスウェーデンの会社ですが、とはいえスウェーデンには沢山の会社があり、それぞれ異なる働き方をしているのも事実ですので、あくまでもパッパ個人の主観による経験・意見であることを最初に述べときます。

グローバル視点による日本とスウェーデンの労働時間の変化

最も労働時間が短い5か国とは?

まずは経済協力開発機構(OECD)が公表している「Average annual hours actually worked per worker」つまり「労働者の年平均労働時間」から抜粋した2014年から2017年までの労働時間が短い上位5か国と日本の順位を見ていきたいと思います。

2014年 2015年 2016年 2017年
1位 ドイツ (1368) ドイツ (1368) ドイツ (1363) ドイツ (1356)
2位 デンマーク(1414) デンマーク(1414) デンマーク(1414) デンマーク(1408)
3位 ノルウェー(1417) ノルウェー(1424) ノルウェー(1417) ノルウェー(1419)
4位 オランダ(1429) オランダ(1424) オランダ(1437) オランダ(1433)
5位 スウエーデン(1452) スウエーデン(1454) スウエーデン(1465) スウエーデン(1453)
日本 21位 (1729) 22位 (1719) 19位 (1714) 19位 (1710)

( )は各国の1年間の平均労働時間となります。

引用元:http://www.oecd.org/

実はパッパもう少しドラマチックな統計的な動きがあるのかと期待していましたが、かなり変化が少ないことにがっかりしました。見ての通り2014年から2017年の4年間で上位5か国の変化はまったくなく、ドイツ、デンマーク、ノルウェー、オランダ、そしてスウェーデンという順位が維持されていることがおわかりになるかと思います。
それに対して、日本は2014年から2017年にかけて21位から19位に微動ながらも労働時間を約20時間短くすることに成功しています。

ヨーロッパと日本の差とは?

前章の通り、ヨーロッパの5か国と日本の平均労働時間には大きな差があります。2017年における1位のドイツと日本では、約360時間の差があります。スウェーデンとの間は260時間です。これは通常の労働の2か月分に相当する時間です。
これらのヨーロッパの5か国に共通するのが、法律もしくは労働協約で非常に厳しく労働時間が管理されており、過度な残業は経営者や会社に対して厳しい罰金などの罰則があることです。スウェーデンでは、労働環境監督官からの禁止命令などに従わなかった場合には、条件付き罰金を課したり、深刻な労働環境犯罪の場合には禁固刑に処せられることもあります。
もちろん、日本にも36協定などサラリーマンの労働時間を守る労働基準法はありますが、実は36協定は法的な強制力はありません。あくまでも行政指導の基準であり、経営者へのお願いにすぎないのです。そして、「特別条項」という抜け穴を使うことにより事実上上限がない残業を従業員に課すことができてしまいます。ただし、これは2019年2月現在の話であり、2019年4月からよりヨーロッパ諸国に似た形で日本の36協定が一新されるそうです。

実録労働時間1年分 日本 vs スウェーデン

パッパの実労働時間

実はパッパ、こう見えて意外にマメなんです。そして、マイクロソフト・エクセルとか数字を綺麗にまとめておくのも結構没頭してしまう傾向にあります。そんなわけで、パッパは2008年に日本の北欧IT会社に転職した時から、毎日の労働時間をエクセルで記録しており、今でも毎日労働時間を書き出しています。今回は、そのパッパ謹製「労働時間管理表」を元に、移住前後の労働時間を比べていきます。
今回はわかりやすいように、日本在住時は2014年、スウェーデンは2018年をサンプル値として使いました。なお、純粋に労働時間と残業時間を比較したかったんですが、その年によって取得した有給休暇の日数は異なるため、その差分については無視した形で進めます。

  • 2014年(日本)
    • 所定労働時間(1日7.5時間計算):1807時間(241日数)
    • 取得した有給:21日(7.5×21=157.5)
    • 有給を除いた所定労働時間:1650時間(220日数)
    • 実労働時間:2012時間
    • 残業時間:362時間
  • 2018年(スウェーデン)
    • 所定労働時間(1日7.75時間計算):1929.75時間(249日数)
    • 取得した有給:31日(7.75×31=250.25)
    • 有給を除いた所定労働時間:1689.50時間(218日数)
    • 実労働時間:1836.25時間
    • 残業時間:146.75時間

日本の激務労働時間の考察

全体像

パッパが日本在住時の2014年1月から12月まで1年間の間に取得した有給休暇を除く所定労働時間(1日7.5時間)は、1650時間です。これに対して、実際に労働をして会社に報告したのは2012時間となります。そして、この所定労働時間と実労働時間の差が残業として算出できます。2014年の場合は、2012時間-1650時間=362時間となります。

繁忙期の残業時間

繁忙期は、2014年10月です。残業無しであれば1か月165時間の労働時間のはずが、残業により実労働時間が300時間となっており、残業だけで134時間費やしています。この134時間、週末の土日を完全に休んだ場合、毎日13.5時間の労働をしていたことになりますが、毎日月曜日から金曜日まで朝9時に出勤して、毎日夜10時半に帰宅はさすがに激務と言えるかと思います。

その時のパッパの記憶

残業過多となっていたパッパは始業時間が遅めでした。そして、ほぼ毎日深夜午前1・2時まで残業をして、タクシーで帰宅していたと記憶しています。毎日のように疲れ切って会社の目の前のタクシーに倒れこむよう乗っていたので、いつしかタクシーの運転手とも顔見知りになったので、タクシーに乗った瞬間寝てしまっても起こされた時には家の前に着いてるなんてことも珍しくありませんでした。記憶が正しければ、1か月のタクシー代が30万円を超えてしまい、カード請求日が早いか、会社からの支払いが早いかでヒヤヒヤしたものです。週末については、実際には土曜日はほぼオフィスに休日出勤していました。そのため、唯一家族と話せるのは日曜日だったと記憶しています。

スウェーデンの労働時間の考察

全体像

移住後の2018年の1年間の所定労働時間は1689.50時間です。ちなみに、日本では会社では1日の所定労働時間が7.5時間だったのに対して、スウェーデンでは1日7.75時間のため、0.25時間多いことに今気付きましたが、スウェーデンの労働規則について、また別の機会に考察したいと思います(所定労働時間は会社にもよりますが、スウェーデンでは一般的に8時間のようです)。話を元に戻して、所定労働時間が0.25時間長いためでしょうか、年間の所定労働時間は日本よりも若干多くなっています。そして、実際の実労働時間は1836.75時間となり、差分の146.75時間が2018年スウェーデンにおける残業時間です。

スウェーデンは残業がないはず?

ここでスウェーデンはワーク・ライフ・バランスがしっかりしているから残業なんてないと期待されていた方々すいません。実は残業はあるんです。2014年の日本での激務に比べれば非常に微々たるものですが、スウェーデンでもある程度の残業があることがこの数字からおわかり頂けるかと思います。ただし、この残業には若干の隠れた事情がありますので、その点を次章で説明します。

繁忙期の残業時間

実はこの146.75時間の残業にはスウェーデンではなく、日本の影響があります。それは、繁忙期の1月2月はパッパが日本へ長期出張をしていたためです。そして、1月と2月にそれぞれ32時間と34時間の残業をしています。パッパはすでにスウェーデンの従業員としてスウェーデンの労働法や組合で守られてはいるのですが、やっぱり日本でお仕事すると他の日本人従業員に合わせて遅い時間の会議や残業が当たり前に行われており、日本人のパッパも例外なく残業にお付き合いしなけえばいけなかったのです。
1月と2月の残業時間が66時間となるため、実質的にスウェーデン国内の業務で残業が発生したのは全体の146.75時間から66時間を引いた80.75時間となります。スウェーデンにいた10か月を元に平均化すると、1か月に約8時間の残業をしていたことになります。

日本とスウェーデンの労働時間の差から見えてくるもの

そんなわけで、2014年と2018年を比べてみたところ、やはり労働時間自体スウェーデンのほうが断然少ないことがお分かり頂けたかと思います。
日本在住時には、今では考えられないような激務をこなしていたことに改めてびっくりしました。あの当時は、忙しいけど、正直心地より張があって仕事に没頭していたのでしょう。ただ、家族との時間が本当に限られており、平日はほぼ子供とは会話ができず、唯一日曜日がパパとして子供に接してあげられる貴重な時間でした。そして、そんなパパ不在の家族を支えてくれた妻に今更ながら感謝しています。
スウェーデンに移住後は、仕事帰りに同僚との飲み会やスポーツ以外の理由で、家族と夕食を取れなかったことはありません。必ず5・6時ごろには帰宅するか、もしくはもっと早い時間に退社して子供を迎えに行ったりもします。とはいえ、残業はまったくないわけではないこともお分かり頂けたかと思います。ただし、上記の家族との団欒やお迎えをさぼっているわけではありません。さて、パッパはどのようにして残業しつつも時間通りに夕食を取ったり、子供たちのお迎えをしているのでしょうか?

残業の中身の違い

日本的な残業のイメージ

日本在住時の残業は、ほとんどすべてがオフィスでした。定時で終わらない作業があった場合には、ごく自然にそのままその仕事が終わるまでオフィスに残って仕事をします。途中でお腹が空けば、近くのコンビニへ行って肉まんやお菓子なんかを食べるなんてことをしていましたね。オフィスに1人残ってする残業のささやかな楽しみです。

スウェーデンでの残業とは?

夕方、どうしても自分だけでやらなければいけない仕事が発生してしまい、その仕事を終わらせるにはあと数時間が必要だったとしましょう。日本在住時のパッパであれば、即座に家族との夕食を諦めて仕事に取り掛かるところですが、ここスウェーデンであればそんなことはしません。
終わらない仕事のことはさておいて、まずは予定通り夕食もしくは子供のお迎えに間に合うように退社して帰宅します。まずは家族での食事や団欒を楽しむわけです。そして、子供たちの就寝後にPCを開いて自宅で残業を開始します。
実際にこのような形で夜な夜な自宅で残業をする人はパッパの周りにも結構います。夜中にそっと社内システムでオンラインになっている人を探すと結構見つかるのは、みんな家族との時間をちゃんと楽しんでから、仕事に向き合ってる証拠なんだと思いました。

柔軟な仕事(残業)の形

スウェーデンでは、よりよい労働環境を追求するために非常に労働の仕方について柔軟です。前章の通り、パッパの会社でも在宅勤務は非常に簡単にすることが可能です。許可らしい許可もなく、ただ少なくとも当日の朝に「今日は在宅勤務します」と短いメールを書くだけでOKです。
面白い在宅勤務理由としては、直属の上司が「小包が今日届くんだけど、いつ届くのかわからないから、在宅勤務します」とか、「家に塗装会社が壁塗りに来るから、在宅勤務します」など、日本人のパッパは1人でそのメールを見ながら突っ込まずにはいられませんでした。
また、電話会議であればもっと柔軟性があります。出勤・帰宅時間に被るような電話会議であれば、移動しながら携帯電話から会議に出席します。日本だと電車やバスの中で電話をすると非常に冷たい目線を感じずにはいられませんが(マナー違反として)、ここスウェーデンの公共交通機関の電車やバスの中では、電話で話すことがマナー的には認められており(まあ、実際真横で大声で電話されると正直迷惑ですが)、パッパも電話会議のためにわざわざ出勤や退社時間を変えるのではなく、移動しながら電話会議に出ることで、自分の生活リズムを変えることなく、仕事をすることができています。もちろん、社外秘なことを大声で話せませんので、お客様の名前とかは気を付けなければいけませんけどね。

まとめ

経済協力開発機構(OECD)の統計値とパッパの実際の労働時間からスウェーデンでの本当の労働時間の姿を説明してみましたが、いかがでしたでしょうか?
世界的な統計値からもスウェーデンが常に短い労働時間を達成していることを理解頂けたかと思います。が、しかし、統計値はあくまでも平均値であり、人それぞれで異なります。パッパの場合には、確かに日本の激務に比べれば残業時間は激減していますが、まったく残業がないわけではありません。スウェーデンだから、海外だから残業がないと誤解されていた方に少なくともパッパみたいなサラリーマンもいることをわかって頂けたら嬉しいです。
そして、その残業は日本のようにポツンと暗いオフィスに一人残ってするものではなく、スウェーデンの柔軟かつ合理的な文化を背景に、自宅や移動中など可能な限り労働者に負担にならない仕事の仕方が認知されています。
次回は、労働時間がきちんと守られているスウェーデンのワーク・ライフ・バランス、残業に対する価値観について説明します。

 

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