スウェーデンの税金は異常に高い? 所得税編

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スウェーデンの税金は異常に高い? 所得税編

はじめに

こんにちは、パッパです。たまに日本のテレビ番組でスウェーデンの高い税金について放映されるのを見ます。パッパもスウェーデンへの転職を意識した際には、「こんな高い税金の国でやっていけるのか?」とすっごく不安になり、色々と調べたことがありますが、どうも日本のテレビでは数字だけが独り歩きしてしまい、実際のパッパが生活して払っている税金との間にイメージの差があるように思えたので、今回はスウェーデンの税金について誤解を解くつもりで書いてみます。

世界から見た個人所得税

Trading Economyサイトからの抜粋となりますが、2019年3月1日時点でのPersonal Income Tax(個人所得税)では、スウェーデンが1位の61.85%となっています。普通にこの税率を説明されると、みなさん即座に自分の月収もしくは年収から61.85%を差し引いて、「絶対スウェーデンなんか行けない!」って思っていませんか?実際パッパもスウェーデンの会社からオファーをもらった時にはパニックになりました(笑)しかし、この個人所得税には様々な誤解を招く情報が混在しています。確かにスウェーデンは高負担・高福祉の国ではありますが、統計や数字のトリックにより異様なイメージで作られたスウェーデンをちょっとでも変えたいです。

 

引用元:https://tradingeconomics.com/country-list/personal-income-tax-rate

世界1位の「個人所得税」の勘違い

最高税率は一般労働者の税率じゃない!

最高税率とは?

税金とは、どのような国であってもその国に住む国民に対して課せられた義務ですが、その義務は国民それぞれの境遇、経済的状態などに応じて決められているでしょう。しかし、全世界の個人所得税を一括して見たり、比べたりしたい場合には、各々の個人的な状況を考慮している余裕はありません。そして、そのような時に用いられるのが「最高税率」です。つまり、税制上最も課税可能な最高の税率を指します。

そりゃ、大金持ちが支払う税率を一般労働者に当てはめられたらパニックになりますよね?この最高税率はすべての国を分け隔てなく純粋に税率の観点で見る場合には、良い統計値なのでしょうが、スウェーデンで働く一般労働者が全員同じ税率で納税しているわけではないにも関わらず、意図的に税率だけを全面に出して視聴者を勘違いさせようとしているテレビを見ると、とても悲しくなります。

最高税率が高負担なら日本も?

ちなみに、スウェーデンに関するテレビでは、特にこの61.85%という高い個人所得税が独り歩きしているのをよく目にしますが、そのような番組に限って個人所得税の世界ランキングは上位3位しか放映されません。

なぜならTrading Economyサイトによると、日本は55.95%で堂々の世界5位、つまり世界で5番目に高い税金の国だからです。確かにテレビ的にはいかにスウェーデンの税率が異常で高いのかを伝えたいので、日本も高いですなんて同じ番組で伝えたくないですもんね。たった6%違いで日本がランクインしていると知ったらスウェーデンだけがものすごく異常に高いわけではない事を理解頂けるのではないでしょうか?

引用元:https://tradingeconomics.com/country-list/personal-income-tax-rate

労働者を守る社会保険料の違い

さて、個人所得税について勘違いを解いたところで、パッパの主観ではありますが、日本とスウェーデンの税制度で大きく異なるのが社会保険料だと思います。ここでは、社会保険料の基本的な説明から始まり、日本とスウェーデンの違い、そこから見えてくる労働者視点の税制度を説明します。

社会保険料とは?

日本でもサラリーマンをされている方ならご存知の社会保険料。一言で社会保険料と言っても、中身は国によって若干ことなりますが、基本的には各種社会保険の総称です。そして、納税された社会保険料は国全体で労働者を守るために使われます。以下は日本とスウェーデンにおける社会保険料の内訳となります。見て頂いてお分かりの通り、スウェーデンの社会保険料のほうが保険の種類が多いのがわかります。そして、その数に正比例して税率も高いのでしょうか?そして、それはパッパのような平凡なサラリーマンが高額な税金を払っているということになるのでしょうか?

  • 日本の社会保険料の中身
    • 医療保険、年金保険、介護保険
  • スウェーデンの社会保険料の中身
    • 年金保険、遺族年金、両親手当、健康保険、社会保険、労働衛生、賃金税

高いけど安い社会保険料?

日本とスウェーデンの社会保険料

まずは以下の日本とスウェーデンの社会保険料の税率を見てもらいましょう。合計社会保険料は各国の労働者と雇用主がそれぞれ納税しなければいけない税率を合算した社会保険料絶対の税率を示しています。日本が29.08%に対して、スウェーデンは38.42%と約10%とも高い税金を国に納めなければいけません。これは、確かに一般的なスウェーデンのイメージである高福祉・高負担の一端を垣間見れるところだと思います。が、しかし、ここで勘違いしてはいけません。この合計社会保険料はあくまでサラリーマンである労働者と雇用主の両方の社会保険料を合算しているからです。

合計社会保険料 内訳
労働者 雇用者
日本 29.08% 14.39% 14.69%
スウェーデン 38.42% 7% 31.42%

2019年3月1日現在

 

本当はとても低い社会保険料

日本とスウェーデンにおける合計社会保険料では、断然日本のほうが低いことがおわかり頂けたかと思います。しかし、表の右側の労働者と雇用主における社会保険料の内訳をみると、その認識はまったく逆になると思います。

日本の社会保険料は29.08%ですが、その内訳はほぼ労働者と雇用主で折半しており、労働者が14.39%に対して、雇用主が14.69%です。それに対して、スウェーデンでは38.42%の中で労働者が負担する社会保険料はわずか7%のみで、残りの31.42%は雇用主が負担しなければいけません。これは、日本の労働者の社会保険料のほぼ半分にしか納税の義務がないことがわかります。

社会保険料を全体的にみると、日本よりもはるかに高負担な税率を課すスウェーデンですが、労働者の観点からすると、社会保険料だけで比べた場合には、日本よりも少ない社会保険料(7%)で労働者は社会保障の恩恵を受けることができるのは、とても良いことではないかと思います。しかし、それと同時に、その分だけ雇用主に対して重い税金が課せられており、正社員の雇止めなどスウェーデンの政策がすべてにおいて完璧ではないこともまた確かなのです。

現実的なスウェーデンの税引き前後の給与は?

ここまで読んで頂けた方の中には、きっと「で、結局スウェーデンのサラリーマンで手取りいくらなの?」と思われる方もいるでしょう。パッパ自身もスウェーデンに移住を決断する際には、まさにその答えを探してインターネットで検索しまくりました。そこで、最後に具体的な数字でスウェーデンサラリーマンの月給と税金を見ていきましょう。

スウェーデンの税金

スウェーデンは地方分権が確立されており、税制はCountry Council(日本の都道府県)とMunicipality(日本の市町村)で成り立っています。税率はそれぞれ居住する地域により異なりますが、ストックホルム市内に在住の場合には、2019年3月1日時点でCountry Councilに対して12.08%、Municipalityに対しては17.74%の納税義務があります。ただ、これでも実際にいくらなのかわかりませんよね?そこで、パッパの実年収を例えに…と言いたいところですが、自慢もできないような額をブログで公表するわけにもいかないので、例え話で説明させて頂きます。

年収別による手取りの例

今回はスウェーデンの税引き前の給与から税金を算出してくれるサイト「statsskuld」のCalculate net Salaryを使って説明します。居住地はスウェーデンのストックホルム市内、スウェーデンの中でも比較的高い税金の地域となります。なお、このスウェーデンの税制上、細かな控除制度もありますが、ここではわかりやすくするために詳細な控除額などについては敢えて割愛させて頂きます。
また、年収が1例だけではまた誤解を生んでしまう可能性があるため、今回は高給取りの年収1250万円、中流階級の年収625万円、そして某テレビ番組でも使われた年収400万円の3つの年収、月収、そして税金を引いた手取り月収をお伝えします。
  • 年収が1250万のサラリーマンの場合
    • 年収    1,000,000kr = 1,250万円
    • 月収(税) 83,333kr = 104万円
    • 税金    32988kr = 41万円
    • 手取り   50,345kr = 63万円
    • 労働者の月収(税)に対する手取りの税率は40%です。
  •  年収が625万円のサラリーマンの場合
    • 年収   500,000kr = 625万円
    • 月収(税)41,666kr = 52万円
    • 税金   10,741kr = 13万円
    • 手取り  30,925kr = 39万円
    • 労働者の月収(税)に対する手取りの税率は26%です。
  • 年収が400万円のサラリーマンの場合
    • 年収   337,620kr = 400万円
    • 月収(税)28,135kr = 35万円
    • 税金   6,228kr = 7万円
    • 手取り  21,907kr = 27万円
    • 労働者の月収(税)に対する手取りの税率は22%です。

※為替は1krが12.5円で計算しています。

日本と同様ですが、やはり高所得者の年収1250万円の労働者には高い所得税が課さられます。某テレビ番組の街頭インタビューで年収1200万の人が「半分は税金だ!」と嘆いていましたが、ちょっと大げさではありますが、当たらずとも遠からずっといった感じでしょうか。そして、日本での同年収額のサラリーマンに比べたらスウェーデンのほうが税率は高いこともわかります。

年収650万円と400万円についても同様のこと言えるかと思います。しかし、このブログの冒頭でも説明したスウェーデンが第1位を誇る個人所得税61.85%は見る影もないことがお分かり頂けたかと思います。

まとめ

スウェーデンの個人所得税に関するブログいかがでしたでしょうか?世界的な統計は簡単に世界の順位を知ることができますが、安易な知識はやはり誤解しか生まないのかもしれません。スウェーデンは確かに消費税も所得税も日本に比べたら高いのは確かですが、テレビで氾濫する視聴者をただ面白がらせる情報は、正直スウェーデンに在住するパッパや諸先輩方には気分の良いものではありません。

今回は日本とスウェーデンの社会保険料もご紹介しましたが、社会保険料全体の税率はもちろんスウェーデンが高かったものの、労働者という視点では日本よりも税金が安いことにびっくりされたのではないでしょうか?もちろん、根本的に日本とスウェーデンでは社会保障の仕組みが違うため、一概に単純比較はできませんが、少なくとも所得税が61.85%だから、とてもじゃないけど住めない…とは先走った判断はしなくて済むのかと思います。

なお、最後に言い訳ですが、パッパは普通のITサラリーマンのため、税金についてはまったく基礎知識がなく、付け焼刃的に調べたスウェーデンの税金制度について、誤りがあるかもしれないことは否めませんので、予めご了承ください。

次回は、同じくスウェーデンでより身近な消費税に着目した消費税編を送りします!

 

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