【保存版】スウェーデン住宅情報完全まとめ②賃貸編
はじめに
スウェーデン住宅情報完全まとめ①様々な住宅編では、スウェーデンにある様々な住宅を紹介しました。第2弾では、スウェーデンの賃貸住宅に関して情報をまとめてみました。
スウェーデンの賃貸
スウェーデンにももちろん賃貸住宅はたくさんあります。賃貸ですので、住宅には元々個人のオーナーもしくは会社が所有していることが大前提となります。
月々の賃貸料金、住宅に応じて光熱費やインターネット、そして設備管理費を支払う必要があります。賃貸には日本のマンションのような集合住宅から一戸建ての大きな家まであります。自分と同居する家族構成に合わせて賃貸したい広さや立地を選ぶ必要があります。
賃貸を探す方法
賃貸住宅を探す方法色々ありますが、主に以下の通りです。
- 斡旋会社
- 賃貸斡旋会社を経由して賃貸住宅を探す。
- 個人
- SNSや掲示板などを使って住宅を所有するオーナーと直接交渉する。
日本だと「賃貸住宅を個人で探すなんて危なくない?」と思われるかもしれませんが、賃貸住宅が日常的に不足しているスウェーデン、特にストックホルムやヨーテボリはより早くオーナーと交渉するためにSNSやインターネットの掲示板などがかなり活用されています。
もちろん、賃貸斡旋会社のほうがサービスとして賃貸物件の情報を教えてくれたり、オーナーとの交渉や内覧の手配などしてくれるので便利ですが、そのサービスの対価として料金を支払う必要があるため、利用料金を事前に確認しましょう。
賃貸は競争率が激しい
スウェーデンはまだまだ住宅不足が深刻のため、賃貸住宅は貸し手市場です。市場に良い立地で人気の賃貸物件が出た場合には、本当にすぐに借り手が見つかってしまいます。
パッパ自身もストックホルムに移住した際には会社のサポートで賃貸斡旋会社に住宅の紹介をお願いしましたが、市場に出た瞬間に住むか住まないかの判断を求められる状況だったのには本当に参りました。日本みたいに色々と見比べて家族会議して決めさせてくれないのがスウェーデンの賃貸住宅です。
ちなみに、特に日本人の方は住宅に湯舟=バスタブが欲しいと思われる方は多いと思います。他にも希望はいくつもあると思いますが、優先度を可能な限り絞って賃貸住宅探しをしたほうが近道だと思います。なぜなら、アレもコレもと物件が出るたびに相談していると、その間にその物件が他に獲られてしまう可能性があるからです。
いいなっと思う物件を見つけた瞬間に内覧申し込みを行い、内覧で問題なければその場で回答ができるぐらいの準備をしておいた方がいいでしょう。
ストックホルムの賃貸って高いの?
さて、そんなストックホルムの賃貸住宅の賃貸料はいくらなのか?少し古い情報ですが、単身者向けのベッドルームとキッチンとバスルームがある部屋の平均賃料を以下にまとめてみました。
地域 | 平均価格(kr) | 日本円 | 地域の特徴 |
Östermalms | 14,960kr | 185,000円 | 言わずと知れた高級住宅街。 |
Vasastaden | 14,370kr | 177,000円 | Östermalmsに隣接する地域です。こちらも高級住宅街。 |
Bromma | 10,999kr | 136,000円 | ストックホルム西部に位置します。都心まで電車で10分程度と交通の便が良いです。 |
Spånga | 9,717kr | 120,000円 | ストックホルム北部に位置します。最近開発が進んでおり、新しい住宅街として注目を浴びています。 |
Skärholmen | 8,799kr | 108,000円 | ストックホルム南西部に位置します。この中では最も都心が遠く中央駅までは25分かかります。 |
参考サイト:https://www.thenewbieguide.se/average-price-renting-apartment-stockholm/
日本の賃貸住宅市場と同じく都心から離れれば離れるほど安くなっていくことがわかります。
金銭的に余裕があるのであれば、やっぱり都心のほうが商店やレストランもあるので、シテイ―ライフを楽しみたい人向けです。
もちろん、郊外でもレストラン(たぶん、ピザ屋さんですが)やスーパーもあるので不便はないと思いますが、地域によっては治安も考慮したほうがいいでしょう。賃料の価格が安ければ安いほど住む人種が変わるのは当たり前ですからね。
ちなみに、上の「単身者向けのベッドルームとキッチンとバスルームがある部屋」はスウェーデンでは「2ルーム」と呼ばれます。
日本の場合1DKや2LDKの数字は寝室などに使える部屋数を意味しますが、スウェーデンではダイニング&キッチンも含んで表しますので、気を付けてください。
- 2 rum:部屋は1つのみでダイニング&キッチン
- 3 rum:部屋は2つでダイニング&キッチン
- 4 rum:部屋は3つでダイニング&キッチン
例えば、お子さん1人の家族であれば少なくとも「3 rum」、お子さんが2人の場合には「4 rum」が必要だと思っていいでしょう。もちろん、お子さんの歳にもよるかと思います。
スウェーデンの賃貸物件の落とし穴
ここではスウェーデンで賃貸をする上での落とし穴をいくつか紹介します。
その1:オーナーがOKでも管理組合NGで住めず
スウェーデンでは、ほぼ集合住宅のすべてが共同管理組合(bostadsrättsförening)をそれぞれ運営しており、賃貸住宅を所有しているオーナーが賃貸契約に合意しても、共同管理組合の審査で不合格の場合には賃貸することはできません。
審査内容はそれぞれの組合でまちまちですが、一般的には以下の4つが主なチェックポイントとなります。
- パーソナルナンバー
- 勤務する会社の証明
- 収入証明
- 以前の住宅で問題がなかったこと
この4つ目の「以前の住宅で問題がなかったこと」がなかなかの曲者です。
パッパ自身は求められたことはありませんでしたが、スウェーデンでは騒音や組合費の未払いなどで組合から追い出すことができるため、以前に不祥事がなかったことを証明することは結構重要なんです。もしスウェーデンに来て間もない場合には、その旨を説明して理解してもらわなければいけません。
その2:賃貸期間は無限じゃない
特に個人オーナーから賃貸する物件では賃貸期間が定められています。もちろん、オーナーが他に自分の家を所有していれば半永久的に賃貸できると思うのが日本式ですが、ここはスウェーデンですので、オーナーの気が変われば退去を要求されます。
退去告知は賃貸契約時に明示されるはずですので、事前に確認をして気を付けましょう。
あとは、共同管理組合自体が賃貸できる期間を定めている場合もあります。特に後で説明するFirst handからSecond handとして賃貸契約する場合には、1年もしくは2年しか賃貸できない旨を契約時に提示されると思います。First handについては、後で説明しますね。
その3:個人契約なら契約や退去条件は書面で
個人コーナーから賃貸する場合、どうしても正式な契約書を省きがちです。オーナーと良い関係を築くと余計にそういった面倒な書類を敬遠してしまいますが、異国の地で他人の住宅を借りるわけですからしっかりと書面に署名付きで合意を得ましょう。
最悪、退去時に高い清掃代を請求されたりする可能性もあります。実際、パッパが退去時にオーナーは住宅を売却予定だったのですが、次の買主がパッパの清掃に満足できず、改めてすべての床、窓、バスルームの清掃だけでなく、壁などの傷の修復も求めてきて色々と嫌な思い出となってしまいました。
以下の2つは少なくとも書面で合意しておくべきだと思います。
- 入居前の住宅の傷や問題の把握を書面にまとめてオーナーと合意すること
- 退去時の清掃について清掃会社を雇って行うのか?どの範囲で行うのかを明確にしておくこと
その4:賃貸詐欺に気を付けましょう
ちょっと怖い言い方ですが、住宅を必死に探す移民は犯罪者にとっては恰好の的に見られてしまうでしょう。特に住宅不足が深刻な都市部では売り手市場のためオーナーが色々なわがままや本来ならやってはいけないことを要求してくるようです。
ここは日本よりも犯罪件数も多いスウェーデンであることを忘れずに慎重には慎重を重ねて騙されないようにしましょう。パッパが知る限りの賃貸住宅の詐欺について注意すべき点をまとめてみましたので、参考にしてください。
- 賃貸住宅は直接オーナーと住宅を見て確認してから契約すること
- 退去時、保証金(デポジット)を確実に返してもらうため鍵を安易に返さない事
- 「お金」は必ず「契約」をしてから支払う
ちなみに、住宅詐欺はなにも日本人移民だけに起きている問題ではありません。実際にスウェーデンの警察からも注意喚起がされているので、簡単にまとめてみました。
- 住宅の賃貸をオファーしているオーナーが実際に転貸の許可を持っているか確認しましょう。オーナーが物件所有者を証明するホームページなどのリンクを送って来た場合には注意が必要です。そのホームページは詐欺師によって作成された可能性があります。
- オーナーの氏名、電話番号を検索して、自分に伝えられている情報と同じか確認しましょう。
- オーナーの身分証明書と賃貸契約書を確認して控えましょう。
- 住宅を見ただけで契約前に手付金などとしてお金を支払うのは辞めましょう。
- オーナーが海外にいて会えない、そして前金を要求してきた場合には注意が必要です。
- 匿名の支払い方法(例えば現金や仮想通貨)はやめましょう。
- 内覧を許可された場合には、自分だけでなく友人や家族を連れていきましょう。多くの目で見れば色々見つかります。
参考サイト:https://polisen.se/utsatt-for-brott/skydda-dig-mot-brott/bedrageri/lagenhetsbedrageri/
色々と不安を煽るようなことを書いてしまいましたが、ここは安心安全な日本ではなく移民も数多く住むスウェーデンですから、自分のお金は自分で守ることを肝に銘じて賃貸住宅探しをしてくださいね。
まとめ
スウェーデンの賃貸編はいかがでしたか?日本の豊富の賃貸住宅と異なり、深刻な住宅不足により賃貸が貸し手市場であることをわかってもらえたかと思います。
日本と同様に都心部の賃貸は価格も競争率も高いので、自身の予算に合わせて地域や住宅の大きさを選びましょう。
そして、日本よりも犯罪件数が多いスウェーデンでの詐欺被害には遭わないように、自分だけで判断しないで回りの友人・知人にもアドバイスをもらって安心安全な賃貸生活を目指してください。
次回はスウェーデンで自分の住宅を手に入れる購入編へと続きます。
スウェーデンで住宅を購入する際の最初の第一歩は?パッパの経験談から絞り込んだ大事な3つのポイントは?日本とは違うから思わぬ落とし穴とかない?などなど色々な疑問や不安にお答えできるかと思います。
最後までパッパのブログを読んでいただきありがとうございました。パッパのブログは以下のブログランキングに参加しております。誰かに読んでいただいているという実感と次の記事への執筆意欲となりますので、ぜひクリックをお願いいたします。
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