【保存版】スウェーデン住宅情報完全まとめ③購入編
はじめに
スウェーデン住宅情報完全まとめ第2弾賃貸編では、スウェーデンの賃貸について紹介しました。第3弾では、スウェーデンの住宅購入に関して情報をまとめてみました。
海外でも夢のマイホームは安心と安定の象徴です。集合住宅もしくは一戸建てでも購入することで自分の生活基盤を確立することができるのは本当に気持ちを安心させてくれます。
正直、パッパも仮住まいの際には「早く自宅を確保しなくちゃ」と毎夜家族に隠れて泣きそうになりながら物件を調べていたものです。
賃貸と購入どっちがお得?
日本でも住宅を賃貸する場合と購入する場合のどっちがお得か?という議論はあります。もちろん、スウェーデンでも同じよな議論はあります。だけど、これは各々の生活スタイルや将来の予定などもあるので、正直あまり意味がないのではないかと思っています。
パッパもどっちがお得かどうかについて議論するつもりはありません。が、唯一言えることもはスウェーデンの住宅不足は今でも深刻であり、コロナ禍であっても住宅の価格は右肩上がりです。
そして、スウェーデン人にとって住宅とは購入後に価値が下がる(減価償却)するモノではなく、価値を上げていくモノ(投資)と考える傾向があります。
日本でも立地や景気で住宅価格が購入後に上がることがあると思いますが、本来は下がるのが当たり前ではないでしょうか?
では、スウェーデンはどれぐらい住宅価格が上がっているのか?Svensk Mäklarstatistikはパッパが愛用しているスウェーデンの住宅価格の統計を出してくれるサイトです。例えばストックホルムでも人気のKungsholmenを見てましょう。
グラフは2019年2月からの1sqmの価格を示しています。若干の上下はありますが、明らかに2019年2月から2022年1月まで価格が上がっているのが見て取れます。
もちろん、価格が下がっている地域もありますし、1年後に上がり続けてることを誰も保証できるわけではありません。が、少なくともスウェーデンは日本と異なり中古の住宅価格が売れないほど下がることは今のところないのは購入=投資をする価値があるのかもしれません。
パッパさんの個人的な結論は?と聞かれたら、すでに購入しているのでもちろん「購入派」です。正直、スウェーデンの賃貸に平穏な日々は確約されていないのは第2弾賃貸編で明白だと思いますので、少なくともパッパは落ち着いてスウェーデンで生活するためには購入しかありませんでした。
購入したい住宅を探す方法
スウェーデンにもたくさんの不動産業者がいますが、個別の不動産業者で住宅を探すのではなく、インターネット上のサービスHemnetを使うのが一般的です。
Hemnetはおよそ2400の不動産業者と繋がっており、ほぼすべての売り出し中物件を見つけることができます。もちろん、他にも色々とサイトがありますが、もし初めてスウェーデンで住宅購入を検討されているのであれば、Hemnetは最初の一歩となるでしょう。
スウェーデン住宅購入の3つのチェックポイント
日本から遠く離れた異国スウェーデンで住宅を買うのは勇気としっかりとした計画が必要です。パッパの個人的な経験からも本当に色々とありますが、基本の3っを紹介します。
今の資金と収入で買えますか?
当たり前ですが住宅を現金で一括購入する方はなかなかいないかと思います。いたとしてもきっとこのサイトは見ていないでしょう(笑)
住宅ローン審査自体はは銀行次第なのでここでは省きますが、スウェーデンでは法律で住宅ローンの最大融資額が決まっています。2022年2月現在は購入する住宅の価格85%が最大融資額となります。
つまり、最低でも現金で購入する住宅の15%は支払える資金は必須となってきます。
また、「じゃ、最大の85%を借りればいいや」と安易に判断はできません。こちらも法律で融資額が多ければ多いほど毎月の返済額が増えるように定められています。
- 融資額が70%以上:2%以上
- 融資額が50%から70%:1%以上
- 融資額が50%以内:返済額に強制なし
つまり、手元の資金が少なく融資額を増やすことは可能ですが、その分毎月の返済額が重くのしかかる仕掛けとなっています。
以上のことから、まずは自分の貯蓄だけでなく毎月の支払のことまで考慮して購入したい住宅価格そして住宅ローンの融資額を決める必要があります。
上記の最大融資額や返済率はあくまでも現時点での情報となります。非常に重要なことなので、もし住宅の購入を検討している場合には、直接銀行などのホームページを参照しましょう。
ちなみに、融資額が50%以内の場合には毎月の返済義務がないのはスウェーデンの驚くべき特徴ではないでしょうか?簡単に言えば、融資額(50%以内)の利子だけ払えばいつまでも借りたままにできます。
スウェーデン式の内覧
賃貸でもお伝えした通り、スウェーデンの住宅事情は日本よりかなり売り手市場となっています。そして、購入する場合でもまったく同じように購入者の競争が非常に激しい市場です。
通常、スウェーデンで住宅が市場にでた場合には内覧が予定されます。ただし、日本とかなり違うのでスウェーデンならではの特徴を以下にまとめてみました。
- 内覧は平日と休日の1日ずつのみ
- 内覧は通常30分程度、長くても1時間(コロナとは関係ありません)
- 内覧時にはオーナーがおらず不動産業者のみが対応
EUの他国では、売り出し中の物件を個別に内覧させる文化があります。日本も同じだと思いますが、スウェーデンでは残念ながら一般的ではありません。売り主と不動産業者が提示した内覧日で多くの人を集めてそれで終わりです。
もちろん、個別に内覧したい旨を不動産業者に交渉するのは可能ですが、たぶん塩対応されるでしょう。
以上のことから、スウェーデンの内覧はまさに時間との戦いとなります。どんなところを見て、何をチェックすべきなのか入念に準備することをお勧めします。
オークションを勝ち抜く
住宅ローンの銀行審査、内覧を終えた後に待ち構えるのがオークションです。スウェーデンで中古住宅を購入する際、ほぼ確実に希望する購入者同士でオークションが開かれます。
スウェーデンに馴染みのない方であれば「えっ?」と思われるのは当然ですよね。日本であれば住宅価格は提示額から下がることはあっても、上がることはないんじゃないでしょうか。
これもまたスウェーデンの住宅事情が売り手市場であるからこその慣例といえます。
さて、具体的にはどのようにオークションが行われるのでしょうか?ちょっとパッパの経験を元に時系列で説明したいと思います。
- 内覧時に購入希望者が不動産業者に連絡先を渡します。もちろん、興味がなければ連絡先は渡さずに帰ってもOKです。
- 内覧最終日の夜もしくは翌日、不動産業者からオークション開始のメールもしくはSMSがきます。
- 購入希望価格をメールもしくはSMSで不動産業者に送付します。入札された価格はすべての購入希望者にも連絡がいきますし、ホームページ上にも更新されます(開示されない場合もあります)。
- これを新しい入札が無くなるまで繰り返します。
下の画像は入札のイメージです。この住宅の場合には1月31日からオークションが始まり2月1日時点でもまだ続いているようです。一番右に見えるBudgivareは入札者の番号を意味します。
この時点では入札者の氏名は伏せられており、それぞれ番号でどの番号がそれほどオークションに熱心なのかが見て取れますよね。
オークション自体は基本的に売り主のオーナーが満足する価格に達した時点で終了となります。早ければ数日、長くても1週間以内にはオークション自体は終了します。
オークションの入札については各々で戦略があります。ドンっと50万円や100万円単位で挙げて他の購入希望者を狼狽させる人、最高値にほんの少しだけ足して入札する人、正直パッパにはどちらも同じだと思います。なぜなら本当に買いたい人はすでに予算があり、それ以上は入札できないからです。
とはいえ、パッパの友人曰くドンっと入札することで他のオークション参加者の勢いを無くせると豪語しているので、もしオークションに参加される際には自分なりに作戦を練ってみるのもいいでしょう。
晴れてオークションを勝ち抜いた人が売り主のオーナーと対面して売買契約を結ぶことができます。
ちなみに、新築の住宅に関してはオークションはありません。日本のように提示額で購入することが可能です。もちろん、この新築を購入するために設計段階から予約をして並ぶ人もいれば、幸運にも新築物件がたまたま残っていて即購入できる人もいます。
スウェーデンの購入物件の落とし穴
その1:ついつい興奮して支払い能力を超える入札
オークションのとても大きな落とし穴です。「あとちょっとであの家が…」と入札をし続けて気付いたときには銀行から取り付けた融資額と自分の頭金を超えていたなんてことも起こりえます。
オークションに参加する際には必ず銀行に融資額と頭金の承認(lånelöfte)を得ていることが必須です。もちろん、不動産業者から銀行の承認があるか?という確認はほぼ確実にあるかと思いますが、内覧直後にオークションは始まるので、自分がどの程度の住宅を購入可能なのかかなり事前に銀行と相談しておかなければいけません。
なお、残念ながらオークションへの参加に銀行融資の承認(lånelöfte)が義務化されているわけではないので、正直稀に銀行の承認なしにオークションに参加する人もいます。が、本当に購入したい場合には事前に承認を得ておきましょう。
その2:オークションで勝ち抜いても気が抜けない
オークションが自分の最高値の入札で終了したら、もうあの家は自分のものと喜びと安堵につつまれるかもしれません。が、スウェーデンではまだまだ気を抜いてはいけません。
なぜならまだ正式な売買契約は合意しておらず、ただオークションで最高値を入札したという事実のみがあるだけだからです。法的にオークション自体に何も強制力や義務もなければ権利もないため、最高値を入札したからと言って油断することは禁物です。
なぜなら、もしかするとその住宅をとっても気に入った購入者が突然現れて、最高値よりもさらに上の価格を提示して横から奪い取る可能性もあるからです。
そんな訳で、もしオークションで最高値で入札した際にはどんな用事や仕事よりも最優先で売買契約を可能な限り早く結ぶ必要があります。
その3:一軒家はオーナーですら気付いてない問題がある、かも
とても短い内覧ですべての住宅のすべてをチェックすることは事実上不可能でしょう。集合住宅ならまだチェックする範囲は狭まるのでいいのですが、一戸建て住宅の場合は大変です。
一戸建ての場合には、住宅に付属する家電だけでなく、給水システムから下水・家の床下や基礎、場合によっては住宅用の地熱発電機の状況まで把握するのは到底不可能だと思います。
特に売主であるオーナーですら気付いていない問題があった場合には大変です。そのため、スウェーデンでは特に一戸建てを購入する際には、専門の検査業者に住宅の検査を依頼する場合があります。
残念ながらパッパは新築物件を購入したため、この分野についての情報は皆無ですが、もし一戸建てを購入する際には知人・友人で経験のある人を見つけて事前に検査業者に検査をしてもらうべきか検討することをお勧めします。
まとめ
スウェーデンの様々な住宅購入編はいかがでしたか?住宅の購入は人生最大の買い物ですから、誰しもが不安でいっぱいだと思います。
残念ながら不動産業者がいても、日本では起こりえないことが多々発生してしまうと思いますので、その際には落ち着いて友人・知人のアドバイスをもらいましょう。
次はスウェーデン独特の住宅共有システムFirst handについてまとめます。
スウhttps://challengingpappa.com/2022/02/23/swedenhouseinfo4ェーデンで誰しもが憧れるFirst hand。賃貸でも購入でもないのにオーナーの突然の退去におびえることもなく生涯住めるFirst handとは?First handになるためには?First handのせいで起きている問題とは?など色々な疑問にお答えします。
最後までパッパのブログを読んでいただきありがとうございました。パッパのブログは以下のブログランキングに参加しております。誰かに読んでいただいているという実感と次の記事への執筆意欲となりますので、ぜひクリックをお願いいたします。
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