スウェーデンの税金は異常に高い?消費税編
はじめに
こんにちは、パッパです。前回の「スウェーデンの税金は異常に高い?」の所得税編に続いて、今回はVAT(消費税)をお伝えしたいと思います。
世界的な個人所得税は色々な要因もあり、スウェーデンの所得税が異様なほど高い税金に見えていましたが、日々買い物をする際に払わなければいけないVAT(消費税)もまた本当に高いのでしょうか?
スウェーデンの消費税
VATとは?
VATとはValue Added Taxを略称となり、スウェーデン語ではmomsといいます。このVAT(消費税)はすべての製品、サービスなどの購入時において発生する税金であり、ビジネスに限らず消費者が何かを購入する際には必ず付きまとう税金となります。
このVATは間接消費税のひとつとして、欧州や日本ほか多くの国で導入されており、日本の消費税法に基づく消費税はVAT(消費税)に分類されています。
世界のVAT分布図
以下は世界のVAT施行国とそれぞれVAT(消費税)の税率を色で表しています。見てお分かりの通り、ヨーロッパ、特に北欧3か国が非常に濃い緑色となっており、VAT(消費税)が非常に高いことがうかがえます。
そして、こちらがOECDによる世界のVAT(消費税)の世界ランキングです。堂々の1位は中央ヨーロッパに位置するハンガリーで27%、続いてアイスランド、そしてスウェーデンとなります。スウェーデン(25%)の後には他の北欧諸国ノルウェーやデンマークと、やはり北欧がVATの税率でも上位に食い込んでいることがわかります。
ここで面白いのは、OECDの中でも先進国として名高い日本がなぜか最もVAT(消費税)が低い国として挙げられていることです。そうなんです、世界はVAT(消費税)を上げてきた歴史があるのにもかかわらず、日本は未だに非常に低いVATを維持しています。しかし、一般消費者であるパッパにとっても、この低いVATは非常に羨ましい限りではあります。
日本の消費税
日本の消費税の変化
ここで、スウェーデンの消費税を語る前に日本の消費税についておさらいしておきましょう。2019年3月1日時点では、消費税は8%であることは、日本人のみなさんには当たり前のことですが、2019年10月から消費税が8%から10%に引き上げられます。そして、増税による悪影響を極力下げるために、軽減税率が施行されます
軽減税率とは?
軽減税率とは、適用される消費税をサービスや製品などに応じて、異なる税率を課税する措置です。ヨーロッパではすでにこの軽減税率が広く浸透しており、より生活に密着した製品やサービスは低い税率を適用することにより、一般の消費者への影響を抑える役目があります。
日本の場合の場合には、特定の飲食料品や新聞は例外的に8%に据え置かれます。
スウェーデンのVAT(消費税)
3つの税率(軽減税率)
スウェーデンのVAT(消費税)の税率について説明しましょう。前述のとおりスウェーデンのVAT(消費税)は25%とお伝えしましたが、先ほどの日本の軽減税率と同様に製品やサービスに応じて3つの税率が存在します。
- 25%:ほぼすべての製品やサービスに適用される税率
- 12%:食品、ホテル、アーテイストが販売する絵画など
- 6%:新聞、マガジン、本、公共交通機関、音楽などのコンサート
一部は日本より税金が低い?
スウェーデンには3つのVATの税率があることがお分かり頂けたかと思いますが、ここで面白いのは新聞やマガジン、本などについては、現在の日本の消費税8%よりも低い税率が課せられていることです。ここでも、世界的な統計学では1番高い税金に着目するため、実際に消費者が頻繁に払うVAT(消費税)はないがしろにされてしまい、「スウェーデンはVAT(消費税)は高い」=「すべての買い物も高い」と錯覚されてしまうのでしょう。
旅行者が注意すべきTax freeの勘違い
最後に旅行者の方必見のスウェーデンでの免税買い物の注意点、そして思わぬ落とし穴についてです。
免税買い物には制限あり
海外旅行の際には必ず楽しみの一つとなる免税でのお買い物。なんでも手に入る日本ですが、やはり現地で購入することにより、日本市場には流通していない商品だったり、現地だからこそ安かったりして、そこに「免税」というキーワードが貴方の背中を教えてくれることでしょう。
スウェーデンでもお土産屋やブランドショップなど多くのお店で免税に対応していますが、少なくとも以下の条件があることを覚えておきましょう。
- スウェーデンもしくはEU内に在住していない。(日本からの旅行者を前提としているので問題なし)
- 1回の買い物で最低でも200kr以上であること。(日本円にして約2500円)
もちろん、買い物時には旅行者であることを証明するためにパスポートと帰りの航空券が必要となります。また、他にも税関印受領期限(3カ月)や払戻申請期限(1カ月)等ありますが、旅行者の場合には1カ月を超える長期海外旅行はなかなかないと思いますので、ここでは割愛させて頂きました。
なお、よく免税品を持ち帰る際に心配になるフレーズを集めて会話風にしてみましたので、お楽しみください。
お店でもらったレシートって捨てちゃっていいの?
ダメです!払戻にはレシート原本は必要ですので、必ず保管しておきましょう。クレジットカードの明細では代用できません。
免税で買ってすぐ使って大丈夫?
ダメです!免税はその国で使用・消費されないからこそ、税金を免除されているため、基本的には開封はご法度です。
スウェーデンって日本まで直行便ないけど、どこで免税手続きするの?
スウェーデンもしくはEU圏最終出国税関でできますよ。
免税買い物の還付金って現金でしか受け取れないの?
還付金は現金、クレジットカードへの払い戻し、そして銀行小切手で受け取れますよ。海外旅行の場合、次にいつ来るかわからない現地通貨の現金よりも、クレジットカードへの払い戻しのほうが便利ですが、最もお得なのはやはり現地通貨の現金でしょう。
免税=25%すべてが返ってくるわけではない?
スウェーデンの一般的な製品が25%のVAT(消費税)か課せられるのはもうお判りでしょう。そして、その25%を免税買い物で支払わなくて済むと(返金)思われる方がほとんどだと思います。が、しかし、実際には25%すべてが免税手続きをしたからといって返金されるわけではなりません。
全世界で300,000店以上の小売加盟店に免税サービスを提供するグローバルブルーによると、スウェーデンでの免税還付金は購入した製品の価格により還付金の額が変わるそうです。具体的な還付金の額については、以下のサイトから確認することができますが、どんなに高額な製品を購入しても、2019年3月1日時点では25%課税された製品の場合には、最大で18%しか還付金を受け取ることはできないため、免税買い物をされる際には、ぜひ気を付けてください。
まとめ
スウェーデンの税金は異常に高い?消費税編いかがでしたでしょうか?個人所得税編と同じく、世界的な統計で示されている通り、スウェーデンは消費税の高い国であることは確かですが、しかし軽減税率が導入されているスウェーデンでは、一部製品・サービスについては、日本よりも低い税率が設定されていることをわかって頂けたと思います。
そして、スウェーデンにお越しの際には、ついつい「免税だから」っと買い過ぎてしまう買い物ですが、目に見える25%という税金がそのまま還付金として返金されるわけではないため、十分予算を考慮して買い物を楽しんで頂ければ幸いです。
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